Spetial Thanks
Photo by Mr. Itoh
Article by K.Hosoda

97年 もてぎチャンピオンカップ

来年9月に、N1耐久シリーズが組み込まれているツインリンクもてぎ。
オープンしたばかりの話題のサーキットを、監督の特権で細田氏が実戦参加。
数年ぶりのレースだが、予選2位、決勝2位の好成績。
来年はアンクルおじさんとドライバー交代か?


 レース出場のきっかけは「新しく出来たサーキットを走ってみたい」という単純なもの。
日程的にも自分の仕事と、N1耐久レースのインターバルなどの都合がついたため参戦の運びとなった。
 
 マシンはチームメイトの古橋氏が昨年までスーパーN1耐久レースで使っていたマシンそのもので、昨年の最終戦以来ガレージに眠っていた。

8月のSUGOの時に何気なく古橋氏に「10月のもてぎに出たいなぁ〜」と話したところ「しょうがないなぁ、また病気の再発ですか」とか言われながらも「いいよ」と返事が帰ってきた。
その後マシンのメンテナンスを始める。と言っても私がするのではなく、すべて古橋氏&スタッフまかせですが……。


10月4日
「練習走行」

 そして準備も整いレースウイークの土曜日(このレースは日曜日だけのワンデイレース)にサーキットに入り、スポーツ走行を行なう。レースに出るのは一昨年の筑波300q以来だ。ただし、この時は僕が乗る前にクラッシュしてしまったため、乗ることは出来なかった。つまり、数年前にシティで出た筑波P1300レース以来となる。

 コースはフルコースではなく東コースでグランドスタンド部分を除くテクニカルセクションが中心のコースだ。

 スポーツ走行は2回で1回目はコースを覚えるのとマシンに慣れることに専念する。途中スピンも喫した。これは後で言われたが、「アクセルを踏んでいれば何とも無かったよ」といったレベルのもの。つまり「たーへ」っていうヤツだ。2回目は雨となったがコースに慣れたこともあり、ドライ時の2秒落ちで走れた。


10月5日
「予選、決勝」

 日曜日は午前中に予選、午後に決勝というスケジュール。雨も上がり、コースはドライ。昨日までのタイムで4台のN1のうち速いほうの部類だったので、「走れればいい」から「表彰台に上りたい」に気持ちが変わっていた。けれどもあまり無理しすぎてクルマを壊してしまうとまずいから、気を落ち着かせて予選を走る。

 タイヤも新しく、ブレーキも奥まで入っていけるようになる。途中で出たピットサインには「P1」のマークが。「ゲッ、オレがポール? そんなに甘くはないよね」と思うが、やはり終盤にはP2となっていた。タイム差はコンマ8秒弱だ。

 最初は「マーチに勝てるかな〜」と思っていたが、そんなこともなくて一安心。他のN1マシンのタイムを見ても後ろとは4秒ほど離れているので、「ポールの選手との一騎打ち」と勝手に思う。古橋氏からも「前に獲物がいれば追っていけるよ、エンジンは回していいからね」って言われて俄然やる気が沸いてくる。

 そして午後の最終レースが私の決勝だ。コースを1周してグリッドに着き、フォーメーションラップを待つ。3分前でスタッフが去り、1分前でエンジン始動。フォーメーションがスタート。前のクルマを見ると蛇行してタイヤを暖めている。「それじゃぁオレも」ってんで蛇行する。

 グリッドに戻るときも「F1見てると外側一列で戻ってグリッド直前でラインを変えているよなぁ」なんて思いながらそれを真似てみる。グリッドに着いてみると、意外と気持ちは落ち着いてシグナルが赤から青に変わってスタート。「あまり回転を上げてミートするとホイールスピンしちゃうよ」というアドバイスに従い慎重にスタート。エンジンはこっちの方が速く、4速へのシフトアップで前に出た。

 ところがポールのクルマを意識してやや突っ込みすぎて1コーナーでは右側に入られてしまった。マシン的にはこちらが速く、リードされても追いつくのは分かっていたから、それほど気にはしていなかった。しかし、立体交差を過ぎた後のショートカット部分が遅く、ここで離されてしまう。しかし、徐々に追いついていき、6周目のS字でほぼテールツーノーズとなる。

 ここまで来ると敵もブレーキロックさせてミスを連発するが、こちらもそれにつき合ってしまい、数回のミスを犯してしまう。

 そして挙げ句の果てが8周目のS字でマーチを周回遅れにするところで、コースアウト。あれも「ステアリングを切り足してさえいれば問題なかった」とのこと。残り4周では追い上げるのも無理と判断し、ミスをしないようにして表彰台を守ることに徹する。
 
結局2位でチェッカーを受け、1周回ってコース上へ戻る。聞くところによるとベストラップをマークしたそうな。やったぜ。


初めての表彰台はやはりうれしく、横浜ゴムの方が帽子を持ってきてくれた。表彰台に上り、シャンパンファイトもなんとか終了。帰り支度もそこそこにさっそく車載ビデオを見ながらあれやこれや談笑する。

 
アンクル御大に報告すると「良かったじゃないか」とのお言葉。後日ビデオを送付して見てもらったが、「最近のビデオでは一番おもしろかった」と爆笑の連続だったとのこと。

 ちなみに、サーキットにはVICICの細川氏がいた。同日行なわれたシビックレースの関係で来たとのこと。私がN1に出ていることを知ってビックリしていた。でも、「シビックレースが終わったら帰りますから」だって。だが、シビックの正式結果が出るのが遅く、結局私のレースも観ることになった。


97もてぎチャンピオンカップ第2戦 N1/マーチ
97年10月5日 ツインリンクもてぎ東コース(3.422q)
天候:晴れ 参加台数:4/4台 決勝出走台数:4/4台
参加クラス:N1
ゼッケン/車名:55/BPADVANアンクルシビック
ドライバー:細田桂司
予選結果:クラス2位 総合2位 タイム:1分43秒843
決勝結果:クラス2位 総合2位入賞 12周回
完走台数:4/4台


「今回のトライ」

チームアンクルで誰も走ったことの無いツインリンクもてぎ。
今回、東ショートコースとは言え、走らないのはフルコース4.8kmのうちスタンド側インフィールド1kmのみこれはデータ採りのチャンス。
投入できる限り予算で以下の器材を試してみました。

車載カメラ

 記録に採るといえば、まず思い浮かぶのはこれ。
以前は、ハンディーカムを自作のステーで取り付けていたが、今回は車載やヘルメット取り付け用に売られているソニーの小型カメラを採用。
ぶれもなく良好な画像でありました。
ちなみに、アンクルおじさんは車載カメラを異常に嫌がります。

G-Analyst

前後、左右、ついでに上下Gを記録してくれる便利な機械。
内蔵メモリーで約8分間の運転状況を記録してくれる。
初めて使ったのだが、データを吸い上げグラフ化して大喜び。
しかし、そのグラフが何を意味するのかは、未だに謎のままである。


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