初めて、単独で参加の24時間耐久。
序盤のエンジントラブルで交換を余儀なくされるが、わずか40分でレースに復帰。
確実にポイントを稼ぎ、シリーズランキング2位を維持。
これまで十勝24時間はチームメイトの古橋組と合体して参戦してきたが、今年はシリーズ目標を達成するために自らのマシンで出場。
ドライバーは山内伸弥/浅見武に小林正吾を迎え入れ、3人体制で24時間に臨む。
浅見は特にアタックせず、決勝セッティングを確認しながら走行し、タイムは2分28秒911。タイムそのものは3番手だが、上位チームのタイムが抹消され、結局クラス2番手、総合17位で決勝に駒を進める。
その後、C&Dドライバーのフリー走行で小林は2分29秒165をマーク、決勝を前に早めに宿に戻る。
スタートは馴れている山内が担当。グリッド上でドライバーとメカニックが和む。
ラリーストが造ると補助灯はこうなる……らしい。
PIAAの小型ランプは黄淡色で、ピットレーンからも確認しやすかった。
決勝を前にハブのガタをチェックする荒津メカ。「オレが作業したんだから、心配はない」
ピットウォークの後、午後3時に決勝はスタート。
山内は周囲のペースに惑わされずやや抑え気味に走行、2番手から3番手で周回を重ねる。
予定通り2時間30分後にピットインし、燃料補給とフロントタイヤ交換をして浅見にバトンタッチ。
浅見は3番手を走行するが、日が傾き始めた18時30分頃に突然ストレートで白煙を吐いてスタンド前にストップ。思ってもいなかったエンジントラブルだ。
回転数も8000回転と低くしての走行にも関わらずエンジンが壊れてしまった。
バルブスプリングの金属疲労ということが後になって分かる。リペアエリアでスペアエンジンに換装、わずか40分足らずでレースに復帰した。
(コース上にストップした車両の修理は、ピットが使用できず、リペアエリアで行うよう決められている。
皮肉にも、最初のリペアエリア使用チームとなってしまった。)
レース復帰後は最後尾のクラス7番手にドロップしたが、浅見は順調に周回を重ねる。
その後のピットインして小林が乗り、以後、浅見、小林と乗る。山内アンクル御大は1回飛ばしたが、「若者に頑張ってもらう」作戦と自ら語る。
日付も変わりちょうど折り返し点にあたる3時過ぎにピットイン、この時点で5番手までポジションを挽回し、山内が2度目のドライブとなる。
しばらくは順調に走行するが、気が付くと赤ランプのサインが出ている。
無線のない我々は色違いのランプで不具合を知らせることになっているが、赤ランプはエンジンだ。夜間用のサインボードでOIL? ミッション? などとサインを送り返すとどうやらオイルみたいだ。それでも山内はかなり良いタイムで周回していたので、そのまま走らせる。
そして5時過ぎにピットイン、ここでエンジンオイルを補給し、他の作業もこなして浅見がコースに復帰。浅見は快調に走行し、16時間経過の7時には4番手に浮上した。
その後小林、山内とローテーションするが、ここでも赤ランプが点灯。
21時間経過時点で前のクルマとの差は10周あり、これ以上のポジション回復は考えられない。
そこで最後のピットインで念のためにオイル交換し、他の作業も施して浅見がピットアウトしゴールを目指す。
後続のクルマとも7周ほど離れているためエンジン回転数を7000まで落として走行。
そして15時チェッカーが振られ、何とかクラス4位でフィニッシュ。
初めて自分たちのマシンで出場し、優勝を目指しましたが不測のトラブルに見舞われた形となったが、シリーズ2位はキープした。
97スーパーN1耐久第4戦 第4回十勝24時間レース
97年7月24〜27日 十勝スピードウェイ(5.100q)
天候:晴れ 参加台数:30台 決勝出走台数:30台
参加クラス:クラス4
ゼッケン/車名:54/BPビスコベータアンクルシビック
ドライバー:山内伸弥/浅見 武/小林正吾
予選結果:クラス2位 総合17位 タイム:2分27秒385
決勝結果:クラス4位完走 総合15位 528周回
完走台数:24台
獲得ポイント=13点
シリーズ合計=43点/第2位
今回、FーSPORTのBドライバーとして参戦の
モータージャーナリストの日下部
さん。
伸弥さんのラリーの先輩でもある。
カブに乗っておちゃらけている所をパチリ。
NICOS PORSCHEのドライバー 茂木 和男選手。
普段は穏やかな人なのだが、怒るととっても恐い。
今回は、残り2時間弱を残し残念ながらリタイア。
最後のピットアウトを終え、一安心のメカニックさん。
こちらも24時間無交代。
お疲れ様でした。
夜中に、ドライバースーツを着たまま、ネギをきざんでいるのは、浅見選手。
レーシングドライバーの傍ら、某ラーメンチェーンの店長も務めているのはピットでは有名な話。
食材を自ら吟味、チームの人においしいラーメンを振る舞っていました。
感謝。